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卒業生インタビューvol.3 高川 直樹さん(2期生)


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同じことをやり続けていてもものが売れない時代、
新しいビジネスモデルをいかに創出していくかが求められている
ジー・エム・エス ジャパン株式会社 代表取締役社長
高川直樹さん
アメリカに憧れを持つ学生だった高川さんは、IT技術者、海外勤務等を経て、現在ではIT企業の代表を務められています。そのキャリアは、常に時代や社会を見据えながらのものでした。高川さんがこれまでのキャリアで考えてきたこと、大切にしてきたこととはどのようなものなのでしょうか。

多様性の中で仕事をしていくことを学んだ、シンガポールでの経験

現在の仕事について教えてください。

IT企業を経営しています。もともとはソフトウェアの受託開発がメインの事業でしたが、現在はソーシャルメディアを活用した企業のマーケティング活動のコンサルティングにも事業領域を拡大しています。

現在、社長として会社を経営されていますが、そこにいたるまでの経緯はどのようなものだったのですか。

もともと学生のころからアメリカに強い憧れがあって、いつかは海外で働きたいと考えていました。しかし卒業後は日本のIT企業にエンジニアとして普通に就職しました。数年経ったころ、シンガポールに現地法人を作るプロジェクトに配属され、2年間シンガポールで働くことになりました。人種のるつぼといわれるシンガポールの文化に触れて仕事をする中で、自分はやはり、日本企業で組織の一員として働くよりも、こういった多様性の中で働くのが好きで、力を発揮できると強く感じ刺激を受けたのを覚えています。そのように考えている時、アメリカで会社を経営していた現会長の上杉と出会ったことが大きな転機になりました。彼と意気投合し、2001年に上杉の会社の日本法人を一緒に立ち上げることになり、その会社を現在まで経営しています。

シンガポールでの2年間はご自身にとってその後の生き方を変えるような経験だったのですね。
そこでどのような経験をされたのでしょうか。

当時の部下はほとんどが現地のシンガポール人だったので、彼らとのビジネスにおける考え方や価値観の違いに苦労しました。価格設定をどうするかということ一つをとっても、彼らなりの現地での売り方に対する主張がある一方で、実際に販売する相手は現地の日系企業で働く日本人なので、日本人としての我々の戦略もある。とにかく彼らは自己主張してくるので、こちらも自分の意見を単刀直入にはっきりと主張しないと分かってもらえない。お互い理解して歩み寄っていくためには、主張しながらも丁寧に話し合う必要がありましたね。外国人と一緒に仕事をしていくための考え方の基本はこの時に学びました。

うまくいっているときこそ、次への備えをしないといけない。

現在は会社としてソーシャルメディアに力を入れているということですが、その理由を教えてください。

創業以来、大手企業から直接仕事を受注するなど、ソフトウェアの受託開発分野で順調に会社は成長していたのですが、「うまくいっている時にこそ次への備えをしないといけない。危機が実際に訪れてから慌てて対策を練っているのでは遅い」と日頃から考えていました。
ちょうどその当時、アメリカでは、TwitterやFacebook、MySpaceといったソーシャルメディアが流行していて、それを企業がマーケティング活動にどう活かすのかが模索されていました。今後私たちにしかできないことは何なのかを真剣に考えた結果、このアメリカでの動きに注目し、いち早く日本企業にソーシャルメディアを活用したマーケティング手法を紹介していくことが大きなビジネスチャンスになると確信し、次の事業の柱として位置付けて取り組み始めました。
その後、リーマンショックと震災の影響によって企業のIT投資が激減するという危機が訪れました。これによって、多くのソフトウェア企業の売り上げは落ち込んでいったのですが、早くから次の一手を考えて取り組んでいたことで、私たちの会社は危機を乗り越えることができました。

今、世の中では、既存のビジネスモデルがあっという間に通用しなくなるということが日常的に起こっています。加えて日本の経済が衰退しているという大きな流れもあります。同じことをやり続けていてもものが売れないそのような時代に、新しいビジネスモデルをいかに創出していくかが求められているのだと思います。
私は、これからやってくる時代は誰かが一方的に他者に何かを与えるような”to”の時代ではなく、互いがそれぞれの強みを活かしながら、協働してよりよい価値を創出する”with”の時代だと考えています。新たなビジネスモデルを創出するためには、こうした”with”の意識を持って働くことが重要なのではないでしょうか。

マーケティング的な視点を持ってエンジニアの仕事ができたのは、
ゼミでの学びがあったからこそ

情報大での学びで今の仕事に役に立っていることはありますか?

マーケティングのゼミに入っていたので、マーケティング的な広い視野を持てたことは大きいですね。ITエンジニアはシステムの細部に目が向いて視野が狭くなりがちです。しかし、そのシステムを使うユーザーにとっては、そのシステムがどういう仕組みで動いているのかは関係なくて、やりたいことを実現するために使いやすいかどうかを最も重視しています。ユーザーの望んでいることは何なのかを広い視野で考えられるというのは、エンジニアにとって非常に大切なことだと思います。これを意識して仕事に取り組めたのは情報大のゼミでの学びがあったからこそだと思っています。

ご自身が学んだ東京情報大についてお考えのことはありますか?

私自身、母校に今後も良い大学であり続けてほしいと思っています。これから先、グローバル化が進む中でも、 海外の学生にもひけをとらないような起業家マインドを持った学生を育てるような大学であってほしい です。そのためには、学生のうちから社会と接点を持ち、ビジネスに当事者となってかかわるような経験をする機会が必要です。
アメリカ西海岸の片田舎に位置しながら、世界中から若い起業家が集まるシリコンバレーにも近いスタンフォード大学の雰囲気が私はとても好きなのですが、情報大のキャンパスにも、スタンフォードと似たような雰囲気を感じます。ITベンチャー企業を周辺に誘致するなどしてこの立地ならではの魅力が築けたとすると、情報大も非常にパワフルな大学になっていく可能性を持っています。卒業生として、他の卒業生も巻き込みながら、大学を盛り上げる力になりたいと思っています。

高川さんにとって「情報」とは何でしょうか。

インターネットが普及した現代では、検索するとあらゆる情報が得られます。中東ではソーシャルメディアでの情報の塊が国や政治を動かしていくということもありました。私たちには、このような膨大な情報に対して、それらとどう向き合っていくのかが問われているのだと思います。それを意識した上で、自分にとって適切な情報を選択し、それを基に自分で考えられるような力を身につけること。これが今後ますます大切になってくるのではないでしょうか。