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データサイエンス学系 データサイエンス基盤研究室:蔵岡 誉司 教授


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数学の世界を俯瞰的に眺め、理論と理論の関係を研究する

普遍代数学、ファジィ代数学で理論そのものを研究する
 蔵岡教授の研究テーマである普遍代数学は、あるひとつの代数学について研究を深めていくというのではなく、それらさまざまな代数構造の理論を俯瞰的に眺め、共通点を見つけ出したり、関係性を明らかにしていくというもの。
 「シンプルに言えば、理論と理論の関係を研究しています。そして、もうひとつのテーマが、ファジィ代数学。ファジィとは、ものごとの境界がぼやけてはっきりしない状態のことで、数学の世界では、アメリカのロトフィ・ザデーという数学者が1973年にファジィ理論を提唱しました」 
 ファジィ代数学の考え方は、たとえば、ある集合体のなかにものが入っている場合を1、入っていない場合を0と割り当てることによって区別ができるときに、その1と0の間の値をいろいろと変えてみようという考え方なのだという。 
 「たとえば0.3だとした場合にその理論が成り立つのかどうか、もしくは0. 4、0. 5…と少しずつ間の値を変えていったときに、その理論がどのように変わっていくのか。こうしたことを研究するのがファジィ代数学です」と蔵岡先生は話す。

大学で初めて知る数学の面白さ


大学で初めて知る数学の面白さ
 蔵岡先生は、どのようにして現在の研究テーマと出合ったのだろうか。
 「私は高校を卒業して大学の数学を学び始めたときに、数学の面白さを知りました。目の前の問題を解く、答えを出す、というのが高校までの数学ですが、私が大学で学んだ数学科では、『どうしてこうなるのか』ということを導いていったり、数学の世界自体を俯瞰して眺めてみて、理論と理論をまとめたり、一見バラバラに見えるものが実は統一的な視点で扱えるのではないかとか、そういったことを考えていくんです」
 そもそも数学は、AであるかBであるかというような二者択一に近く、「西洋文化のもの」であるという。
 「そこに東洋的な思考や曖昧さを持ち込むことにも私は興味を持ちました。大学時代の数学との出合いが、私の研究の出発点なんです」

研究に必要なものは紙とペンひたすら手で計算していく
 蔵岡先生の研究は、コンピュータを使ったり、何かの実験をするといったこととは異なる。紙とペンを使って、ひたすら計算をしていくのだという。
 「A4サイズの真っ白な紙の上で計算をしていき、それが何十枚、何百枚にも及ぶということもあります。若い頃は食事も忘れて計算に没頭していたということもありました。そうして膨大な時間を費やしても、途中で計算が躓いてしまったり、それ以上進めなくなったり。最後に結論として残るのは、ほんの少し。そんな世界です」と蔵岡先生。
 最後に蔵岡先生は、自身の研究の醍醐味について話してくれた。 
 「私が行っている研究は、目の前に霧がかかっていて遠くを見通せなかったものが、たくさんの計算などを通して、少しずつ足を踏み入れていき、霧が晴れて少しずつ光が見えてくるというイメージに近いかもしれません。大学で学ぶ数学は、高校までの数学とはまったく違うことは先ほども述べましたが、もう一つの違いは自由度が高いことだと思います。興味を持ったり、問題を感じる部分は人によって違うでしょうし、数学の中で自分はここをやりたいと考えるのも自由です。学生たち自身の研究テーマを手伝いながら、一緒に作り上げていきたいと考えています」

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