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情報システム学系 ネットワーク・セキュリティ研究室:早稲田 篤志 助教


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今後ますます重要化する暗号技術やプライバシー保護を研究

日進月歩で高性能化する暗号技術
 情報を保護するための方法として知られている暗号技術。1970年代後半に提案され、現在も広く使われている「RSA暗号」と呼ばれるものが代表的だが、一方、その攻撃方法として1994年に提案されたのが「ショアのアルゴリズム」だ。
 「ショアのアルゴリズムは、汎用量子計算機という量子状態を使って計算を行うコンピュータ上で動く方式です。RSA暗号に限らず、当時世界で使われていた暗号方式の多くが現実的な時間で解読でき、保護されていた情報が暴露されてしまうことが理論的に示され、大きな話題になりました」と話すのは、ネットワーク・セキュリティ研究室の早稲田篤志助教。
 それに対応するため考えられているのが「耐量子計算機暗号」と呼ばれている暗号方式。暗号方式の多くはスパコン(スーパーコンピュータ)を使っても解くのに膨大な時間がかかる数学上の問題を安全性の根拠にしている。
 「解くために使用するコンピュータを汎用量子計算機に代えたとしても、解くのに非常に時間がかかる数学上の問題を使って暗号を構成しているため、『耐量子計算機暗号』と呼ばれるのです。さらに、今よりもっと高性能な汎用量子計算機が実現することを見越して、量子状態を使って情報を保護する『量子セキュリティ』のような別の方策もあります」
 現在のところは、暗号文を解読するのに十分な性能を持った量子計算機は実現していないため、すぐに世界中の暗号が解読されてしまう心配はなく、耐量子計算機性能を持った暗号がすぐに必要なわけではない。しかし、現在は量子計算機の高性能化に向けて世界中でしのぎを削っているので、決して楽観視して良いというわけではない。
 「暗号技術はウェブページ閲覧のような個人での利用だけではなく、会社や銀行の決済情報の通信など、世界のあらゆるところで使われています。したがって、『今日使われている暗号技術が危険になったから、明日から別の暗号技術を使いましょう』といったことは不可能で、10年程度は古い暗号システムが使われ続けると考えるべき。そこで私たちは、10年後の量子計算機の性能も見定めながら、暗号方式の研究を進めています」

ますます重要化する暗号技術やプライバシー保護


人工知能時代のプライバシー保護
 現在、ビッグデータとそれを学習させた人工知能を使ったさまざまなサービスが実現しつつある。例えばインターネットショッピングで、ある商品のページを見ると、別の商品をお勧めされることがある。これは多くの人の購買履歴などを用いて相手の趣味や嗜好を分析し、好みそうな商品を推薦するということが裏で行われている。この購買履歴はプライバシー情報の塊であり、人工知能に学習させる際もプライバシー侵害とならないように注意を要するのだ。そのため、学習させるデータに加工を施すことでプライバシーを保護することが行われている。
 「それでも、そうして学習させた結果出来上がった人工知能からもプライバシー情報が漏えいする可能性があります。そのような漏えいが起きないような機械学習の方法に関する研究も行っています」

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