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心理・教育×ネットワーク・セキュリティ

第3回目は、「ネットワーク・セキュリティコース」。
花田真樹先生と対談しました。



ネットワーク・セキュリティコースとは

小早川:花田先生が考えるネットワーク・セキュリティコースの特徴は何ですか?

花田:ネットワーク・セキュリティコースの特徴は大きく2つあります。
 一つはネットワークやセキュリティの基本的な仕組みをしっかり学べるところです。1年次と2年次の授業において、ネットワークやセキュリティに関する基礎知識を身に付けてもらいます。
 もう一つは実際の実習を通して学べるところです。3年次の演習において、ネットワークアプリケーションの開発やルーターの設置・設定など実際の業務に直結する実習を通してエンジニアとしての実践力を身に付けてもらいます。社会で活躍できるネットワークエンジニアやシステムエンジニアの育成を目指して、「最新の技術や知識を習得し、社会で活かせる実践力を身に付ける。」を実践的 に行っています。
 オープンキャンパスなどのイベントで、ルーターなどの実機を用いて、ネットワークが混雑した場合に起きる現象を実際に体験してもらっています。また、暗号技術やウィルス拡散の仕組みについても体験することができます。ネットワークやセキュリティ分野は実際の業務に直結した実習を行いやすいため、社会で即戦力として活躍できる人材育成を行える分野の1つであると考えています。
*詳細はコース紹介をご覧下さい。

花田先生の研究分野

小早川:先生の研究分野を教えてください。

花田:私の研究分野はネットワークの品質制御です。例えば、無線LANにおいて十分な通信速度がでない場合、その原因を追究し通信速度を上げるための仕組みを考えることです。
 特に、近年のインターネット普及の速度は目覚ましく、現在の日本のインターネット利用者数は9000万人を超えています。インターネットの利用目的に関しても、従来のメールやファイル転送から音声・動画の視聴などのマルチメディア通信サービスの利用へと拡大しています。音声・動画などを高品質で通信するためには新たなネットワーク技術が必要となっています。また、近年、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつながるユビキタスネットワークが浸透しつつあり、移動ネットワークにおいても同様に高品質・高信頼な通信を行うためのネットワーク技術が必要となっていきています。このような背景を基に、「ネットワークの品質制御」を軸としたネットワーク技術に関するさまざまなテーマについて研究を進めています。

小早川:ネットワークの設計や運用方法に関わることを研究されているということでしょうか?

花田:広い意味ではネットワークの設計や運用にあたりますが、どちらかというとネットワークの設計や運用に必要となる要素技術に関する研究になるかと思います。

ネットワークは実は電話回線がルーツ

小早川:ネットワークに関する研究をするなんて、僕らが子供のころにはなかった発想ですよね。

花田:そう思われるところだと思いますが、実は元をただせば従来の固定電話もネットワークの1つです。子供のころ、友達と直接会えない場合に電話で連絡することがあったかと思います。そのころは電話はあって当たり前の世界で、私自身将来この分野の研究をするとは思っていませんでした。ただ、友達と連絡をとるのに電話が大変便利だったという記憶は残っています。現在ネットワークに関する研究を行っているのも、もしかしたらそういう記憶と関係しているのかもしれません。
従来の固定電話には数多くのネットワーク技術が用いられています。例えば、通話時間の統計調査から長時間話す人よりも短時間で話をする人が多いという結果があります。その結果から必要となる設備量が計算され、皆さんが不便を感じることなく会話ができていることになります。そういった意味では、ネットワーク技術は従来の電話回線から始まり、現在のインターネットへと繋がっているとも言えますね。

小早川:電話回線は昔からありましたからね。意外と歴史が深いということですか。では、先生ご自身がこの分野に興味を持ったきっかけは何だったのですか?

花田:私は元々ネットワークに興味があったのですが、当時大学院ではソフトウェアの研究をしていました。しかし、これから「人と人とがコミュニケーションをとるツールとして間違いなくネットワークの時代がくる!」と私自身が強く思っていたこと、またその需要性がわかったことから、ネットワークの研究に取り組もうと考えました。当時はインターネットが急速に普及し始めたころだったので、回線速度も飛躍的に伸びており、社会からのニーズも高かったこととも影響していますね。私自身一般企業にシステム開発者として働いていた経験があります。そのとき感じたのは、理系出身だったこともあり様々なサービスを考えるより、根本的な基礎研究で社会に貢献できないかと思い、大学院に入り直してネットワークの研究を行うことを決断しました。

小早川:歴史的に電話回線と関連していることからも分かりますが、ネットワークは水道やガス、交通などと同じ「インフラ」ですよね。公共性が強いし、一企業でできることも限られているでしょうから、基礎研究という形の方がより広く根本的な取り組みができますね。

花田:そうですね、根本的な基礎研究ができるという意味では大学という選択肢がよいと思います。ただ、ネットワークの研究分野によっては、大規模なネットワーク実験施設や高価なネットワーク機器が必要になる場合もあります。その場合は、企業という選択肢がよいのではないかと思います。

花田ゼミの特徴

小早川:花田先生のゼミの特徴はなんですか?

花田:大きく分けて2つの特徴があります。
 まず1つめは、学生にゼミ運営を任せていることです。学生自身が自分で考え、受動的な姿勢から能動的な姿勢へとシフトしていくことを意識しています。例えば、オープンキャンパスや翔風祭の展示内容や見せ方など先輩ゼミ生に聞けるようなしくみも作り、学生に主体的に取り組んでもらっています。そうすると私の発想になかったことが生まれてくることがあります。
 2つめは、学外で成果発表をする場を提供しています。学内やゼミ内(私やゼミ生)だけで成果発表や議論をしても同じ意見が続いて新鮮味がなくなり視野も狭くなるので私のゼミでは積極的に学会に参加させたり、他大学のプロジェクトに参加させています。社会人になるための訓練の場として、様々な環境下で成果発表や議論をする経験をさせることが重要だと思っています。正解のない様々な研究課題を一人で解決するのではなく、他の意見も取り入れながら解決する方法を身に付けてもらえればと思っています。

心理・教育×ネットワーク・セキュリティ

小早川:対談の前に「ネットワーク」と「心」の関連を考えていたのですが、人と人を「つなぐ」のがネットワークだと思いました。色々調べていたら、離れている人どうしの脳をネットワークでつなぐ、なんていう研究はみつかりましたが(笑)、この研究が実用されるのはずっと先だと思います・・。その話は置いておいて、花田先生は「ネットワーク」と「心」との関係性はどのようにお考えですか?

花田:そうですね、心とネットワークは、とても密接な関係にあると私自身は思っています。社会にはネットワークだけでは対応できない問題が数多く存在しています。ネットワークはあくまで人(機器)から人(機器)へと情報を運ぶのが役割であり、その運ばれてきた情報のよしあしは最終的に人の心によって判断されるのだと思っています。逆にいうと、人の心を満足させるように、ネットワーク側は最善の努力すべきなのです。人の心の状態がわかればとても面白い仕組みができます。
家電を例にとってみますと、将来のネットワーク家電は、人の心の状態を検知し、その状態に応じて家電が自動的に制御・操作されると思っています。例えば、お風呂に入りたい時に、髪の毛をさわるなどその人の心の状態が仕草として表れると仮定すると、その仕草をセンサーで検知すると、自動的にお風呂が沸くといったものです。これらの仕組みを提供するには、複合的な研究が必要です。仕草がどういった心理状態を表しているかを読み取るのは心理学ですし、その心理状態を学習するのは人工知能です。その結果を受けて、ネットワーク家電を制御・操作するのがネットワークです。そういった意味で、心とネットワークは切っても切れない関係にあるのだと思っています。


小早川:なるほど。これまでは人と人をつなぐのがネットワークでしたが、その技術は人とモノをつなぐ発想ですね。身振りや動作は私の研究分野なので、何か面白い研究ができたらと思いますね。

花田:また、回線速度など使用できるネットワーク資源量には限りがあるので、何を重視してデータを運ぶかが重要となってきます。例えば、コンテンツ配信を例にとってみます。スポーツの場合、選手が激しい動きをするために、ユーザーが感じる映像の品質としては滑らかさが重要であり、ニュースでは、キャスターの動きがほとんどないので、キャスターの明るさや画像の大きさが重要であるいう研究成果も報告されています。このように、人の心理状態によって配信するコンテンツの品質を変える必要があります。通信速度重視のコンテンツ、画質重視のコンテンツ…と人の心理状態によってそれぞれ要求するものが異なるため、最終的なゴールは「人がどう感じるか」この部分にかかっています。ここが最終的なゴールになると思っています。

小早川:コンテンツに対して「快適」とか「スムーズ」という評価を行うのは、人間の心ですからね。情報を捉える側を扱う心理学と、情報の運び方を扱うネットワークが結びつくと、より快適な生活が目指せるかもしれません。

花田先生からのメッセージ

「興味があったらすぐ調べること」

調べているうちに、自分の興味が何なのかわかってくるので、まずは気になったら調べる!是非実践して下さい。
いずれはっきりした目標が見つかるでしょう。

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ネットワーク・セキュリティコースの教員

★ユビキタスとネットワーク系:金 武完先生
★暗号・符号理論や個人情報系:鈴木英男先生
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★ネットワーク制御系:花田真樹先生
★ネットワークセキュリティ系:森口一郎先生