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心理・教育×会計・金融

第4回目は、「会計・金融コース」。
堂下浩先生と対談しました。


堂下先生の研究分野

小早川先生

小早川:堂下先生はどのような経緯で経済関係の研究を始められたんですか?

堂下:私は元々、大学と大学院で工学系の分野を専攻し、応用物理学会で研究発表も行っていました。しかしながら、あるシンクタンクの産業経済部という部署でアルバイトしていたことがきっかけで、経済や経営分野での研究に関心を深め、そのままそのシンクタンクに就職しました。
 そこでは主に中小企業に関する調査を行っていました。こうした調査業務を通して、経営や経済の基礎をしっかり勉強したいと思うようになり、米国テキサス大学のビジネススクールに留学しました。
 帰国後はベンチャー企業に投資する運用会社に就職し、その後は外資系の金融機関でアナリストとして働きました。

堂下先生

小早川:応用物理学という単語が出てきたのは意外です。様々な企業も経られて、そこから一転、情報大という「教育機関」で、しかも経済や経営のことを教える立場となったきっかけは何だったんですか?

堂下:実は、私の父親が会社を経営しており、その姿を見て経済や経営に興味を抱いておりました。大学教員になったのは、アナリストとして働いていたころに情報大で働いてみないかとシンクタンク時代の先輩からお誘いいただいたのがきっかけです。
 そのお誘いがあった時に感じたことは、幼いころ土曜日や日曜日といった休日に父親に遊んでもらった記憶がなく、子供ながらにとても寂しかったことを覚えています。ちょうど、私の二人の子供も幼稚園に入った頃で、外資系の会社で仕事も順調でしたが、逆に子供には自分と同じ思いを強く感じるようにもなっていました。仕事で脂が乗ってきた時分で、周りからも不思議がられましたが、今の仕事には満足感を感じています。その時の決断に間違いはなかったと確信しています。

小早川:お子様との時間がとれるかどうか、が選択の重要なポイントだったんですね。堂下先生はお話する前はクールな印象でしたが、一気に親近感が沸きました(笑)。

会計・金融コースとは

小早川:経営の最先端をみられてきた堂下先生が考える金融・会計コースとはどんなところですか?

堂下:情報大の会計・金融コースの大きな特徴は生活者目線で考えることです。
 例えば金融について勉強する場合、通常は金融に関する制度や銀行の成り立ちなどを勉強します。あくまでも資金の借り手は生活者でなく、企業を中心に議論します。しかし、我々の授業では金融の仕組みを「生活者」という目線で学べるように工夫しています。
 また、金融機関が実際に行う業務や、金融に関する法律が作られるプロセスを知るために、教科書から離れて「現場の生の話を聞きにいく」ことも積極的に取り組んでいます。
 いまや金融・会計は大きな産業として成長し続けていますが、この分野で通用する基礎知識を学び、生活者目線でお金の流れを本質的に理解できる人材を育成していくことを目指しています。

堂下ゼミの特徴

小早川:堂下先生のゼミでは、金融や会計のリアルな側面についても学ぶことができるんですか?

堂下:そうですね。金融という学問は机上の学問になりがちですが、実際は人間臭い業務です。そこで、実務の現場に携わっている第一線の金融パーソンから話を聴く機会も増やしています。実際に外資系の金融機関に行って、企業に投資するファンドマネージャーから話を聞くと、「経営者と心が通じ合うか」といった点が熱く語られたりして、外資系のドライな印象とは別の意外な面が知られたりします。

小早川:「お金のやりとり」に関する業界は非常に冷徹なイメージがありましたが、「心が通じ合うか」ということを熱く語ってるなんて、面白いですね。よくよく考えてみたら、金融業界を扱ったドラマが大ヒットしてましたね。人間らしさがむき出しになる業界なのかもしれません。

堂下:また、私のゼミでは国会議員事務所のインターンシップに参加させて、財政・金融関連の党部会や国会の委員会などを傍聴させています法律や政治制度の良し悪しで金融システムの発展性は大きく変動します。国会議員事務所へのインターンシップ参加を通して、金融に関わる制度がどのように構築されているかを目で見て体験できるように考慮しています。
 さらに、私のゼミでは様々な会合に出席し、学生には「必ず質問をする」ようにさせています。質問するには準備として基礎知識の習得が必要だからです。例えば最近、千葉市長と財政に関して議論する機会がありました。その際には、ゼミ生のグループが公会計で先進的な取り組みを行っている東京都議会や都庁に行って、事前にヒアリング調査などを行いました。そして満を持して千葉市長との議論に挑んだというわけです。自治体の公会計は複雑な仕組みですが、ゼミ生達は大学で学んだ企業会計の知識をフルに活用して、公会計の仕組みを学んでいました。千葉市長にも的確な質問を投げかけていたと感心しました。

心理・教育×会計・金融

小早川:堂下先生が以前書かれた新聞記事を拝見しました。
“借金をきちんと返済して整理しているかどうか”と、“性格”の関係に関する調査結果でした。「自己統率力」と「社交性」が借金の返済状態と関わりがあるという結果は、興味深かったです。
 私自身も、人の損得勘定や、行動の選択パターンをみる研究をしています。お金をどう使うかは人の根本的な感情や行動と共通していて、興味深いです。

堂下:他にもアメリカで面白い調査がありました。
 この調査では、過剰な借金を抱えて返済不能に陥った人々1万4千人のうち、半分の人たちには法的に借金を免除あるいは減額しました。もう半分の人たちは借金の減免に加え、金銭カウンセリングを受けてもらいました。3年間に渡り追跡調査を行った結果、再び借金の返済困難に陥った割合を両グループで比較すると、金銭カウンセリングを受けたグループの再発率が低かったという結果がでました。カウンセリングを通して、快楽を優先するキリギリス型の人が計画性を重んじるアリ型に変容できたという事象です。

小早川:お金の負担を軽くしてあげただけでは、またその人は借金を繰り返してしまうんですね。カウンセリングは心のトラブルを解決するために行いますが、金銭トラブルも、誰かと相談したり話し合うことで問題点を客観視することで、うまく対処できるようになるのかもしれませんね。

堂下先生からのメッセージ

堂下:日本における成長産業を考えると、金融分野はその一つだと予想されます。
 イギリスでは金融分野が1980年代以降、徐々に活性化して、最近ではイギリスの経済成長を牽引する原動力となりました。今後日本も経済成長を期待するならば、金融分野の活性化が大きな鍵となります。これからも会計・金融分野の知識への需要は広まるはずです。

 成長する金融や会計分野で通用する人材を育成することが、情報大の「会計・金融コース」のミッションであると考えています。
 金融にはいつの時代にもマイナスイメージが付きまといますが、金融の発展と普及は社会の生活や消費格差を是正する大切な機能である点を我々はもっと自覚すべきでしょう。

こんな人を求む!

会計・金融分野は今や大きな産業といえます。
その産業の中で闘える人材を育成すること。また資金を供給する側ではなく資金の需要者、「お金を借りる側の視点、生活者の目線」で金融をとらえます。

会計・金融コースで一緒に研究してみませんか?

番外編:堂下ゼミ写真集

趣味がダイビングという堂下先生。
ゼミ生と一緒にダイビング中~

歴代の堂下先生のゼミ写真

会計・金融コースの教員

★流通系:青木俊昭先生
★ITガバナンス系:斉藤隆先生
★会計情報とGISの事業評価系:武井敦夫先生
★金融論と経営戦略系:堂下浩先生
★リーガルリスクマネジメント系:成瀬敏郎先生