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教育研究上の目的・目標とポリシー


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1. 博士前期課程

(1) 教育研究上の目的

大学院総合情報学研究科博士前期課程においては、システム開発、ネットワーク、知能情報、環境情報、データサイエンスの各分野において研究開発や課題解決を推進する「情報システム系列」、メディア情報、経営・社会情報の各分野において社会的な課題を解決する「社会情報系列」、保健医療福祉分野において医療現場での課題を解決する「ヘルスケア情報系列」の3つの系列を柱として、各系列における高度な専門知識、および、技能を修得した研究者や高度職業人を育成するとともに未来を切り拓く「総合情報学」の進展を目的とする。

(2) 学位授与の方針(ディプロマポリシー)

大学院総合情報学研究科博士前期課程においては、「情報システム系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列を有する総合情報学の専門分野において、次の専門知識・技能、研究・開発能力、研究の素養を身に付け、総合情報学専攻で定める所定の単位を修得し、かつ、修士の学位論文及び最終試験に合格した学生に対して修了を認定し、修士(総合情報学)の学位を授与する。

  1. 総合情報学研究科の専門分野に応じた各系列の高度な専門知識と技能。
  2. 修得した高度な専門知識と技能をもとに、与えられた問題を論理的に思考して、自ら課題を発見・解決し、解決策を社会に発信する研究・開発能力。
  3. 修得した専門知識・技能や研究・開発能力により、多様化・複雑化する情報化社会における諸問題を的確に捉え、主体性を持って問題解決に関与、貢献することができる研究の素養。

それぞれの系列に係わる専門知識・技能、研究・開発能力、研究の素養は次の通りである。

< 情報システム系列 >
システム開発、ネットワーク、知能情報、環境情報、データサイエンスの各分野において、新たな技術や手法を研究・開発する研究者・技術者を目指して、専門知識・技能、思考力・問題解決力・情報発信力等の能力を身に付ける。それらの知識や能力を修得することで、高度で洗練された情報技術やシステムを提案する能力を持ち、情報化社会における諸問題の解決に関与、貢献することができる。
  • 専門知識・技能
情報学の応用分野において、新たな技術や手法を研究・開発する研究者・技術者として、情報分野における体系的な知識と専門分野における先端的知識を修得し、より良いシステムを提案する能力を持ち、課題を解決することができる。
  • 研究・開発能力
情報化社会の変化を論理的に分析する思考力と問題解決能力を備え、解決策を的確に発信することができる。
  • 研究の素養
情報を正確かつ論理的に分析すると共に、他人の考えを正しく理解した上で、自分の考えを正確かつ効果的に発信し、自らが主体的に未解決な課題に取り組むことができる。

< 社会情報系列 >
メディア情報、経営・社会情報の各分野において、メディア情報学・経営学、およびその他の社会科学の領域をもとにした複眼的アプローチを学ぶことによって,それら諸学問領域の連携・融合を試みる。そこから得られた知識・思考様式・技術を使って,多様化する高度コミュニケーション社会における人間・社会の関係性を理解し、解決策を提案する能力を培い、社会的な課題を能動的に解決することができる。
  • 専門知識・技能
メディア情報学,経営学、およびその他社会科学の諸領域の先端的な知識・技能を習得する。そこから多角的な視点と,現象への複眼的なアプローチを得る。それによって,社会情報学を構成するメディア情報学その他の社会科学諸領域を統合的に把握できる枠組みを構築することができる能力を養う。
  • 研究・開発能力
情報学に依拠した経営学やその他の社会諸科学の視座、およびメディア情報学によるメディアそのものの意味と機能をふまえた視座から,総合的な思考力と問題解決能力,および専門的な情報技術の習得による情報発信力を用いて,現実社会の複合的な諸問題について総合的な解決を得ることができる。
  • 研究の素養
異論を即座に否定し排除するのではなく,まず受容し,その後で,異論が発生した背景を可能な限り多角的な視点をもって探求し,自説との照合・比較・検討を行う。そこから,より高度な次元の問題解決策につなげることで,新たな課題の構築,設定,検討,解決に向けて進むことができる。

< ヘルスケア情報系列 >
社会構造の変化によって複雑・多様化する人々の健康ニーズに対して、保健医療福祉関連の専門職同志の情報の共有化とデータの活用は健康福祉社会を形成するための必須事項である。ヘルスケア情報系列では、保健医療福祉分野におけるヘルスケア情報のデータサイエンティストとして適切な能力と技能を身につけ、人々が安心できる健康福祉社会を形成するために必要な情報活用の専門家を育成する。
  • 専門知識・技能
保健医療福祉分野におけるヘルスケア情報とその学問的基盤に関連する情報科学技術を理解し、診療情報や医療看護情報などの医療データを的確な手法で解析すると共に、その解決策を分かりやすく提案する能力を生かして、医療現場における課題を能動的に解決する技能を修得する。
  • 研究・開発能力
科学的思考(エビデンス)に基づいたデータ活用によって健康福祉社会に貢献することができる能力を養うとともに、高度情報社会に求められるヘルスケア情報を、未来志向で管理運営、研究・開発することのできる能力を身につける。
  • 研究の素養
グローバル化する社会・文化の違いを尊重し、人々の多様な健康ニーズに対して高い倫理観をもって、能動的かつ主体的に未知の課題に取り組む姿勢を養う。

(3) 教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)

大学院総合情報学研究科博士前期課程のディプロマポリシーを達成するため、情報処理や情報科学に関連する研究を推進していくための総合情報学や基礎知識を修得するための「基礎科目」を配置する。「情報システム系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列においては、それぞれの専門的特徴を活かした「専門科目」を編成し、「修士特別研究」により、研究・開発能力を修得する研究指導、「修士特別演習」により、研究の素養を修得する口頭発表や修士論文発表会などを行う。さらに、高等学校「情報」及び中学校・高等学校「数学」の教員免許状(専修)取得者に対する教職専門科目を配置する。博士前期課程の修了の可否は、修了所要単位を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で、修士論文の審査と、最終試験の結果に基づいて判定する。知識・技能、思考力・問題解決力・情報発信力等の能力及び主体的な態度の修得に関する科目編成の考え方は次の通りである。

  • 専門知識・技能
「基礎科目」において、データサイエンスの基礎技術や「システム情報系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列に共通する基礎知識を理解する。「専門科目」において、3つの系列に関連する特論等の専門的知識を身につけるための授業科目を配置する。授業科目の配置においては、総合情報学部との連携を考え、総合情報学科の履修モデル(システム開発、ネットワーク、知能情報、環境情報、数理情報、メディアデザイン、経営イノベーション)との接続性を考慮した専門分野に体系化している。また、看護学部との連携においては、「ヘルスケア情報系列」に看護学科との接続性を考慮した科目を配置している。学生はそれらの科目群から幅広く受講科目を選択でき、体系的な専門知識・技術を修得する。成績は試験、レポート等に基づいて評価する。
それぞれの系列に係わる「専門科目」の編成方針は次の通りである。

< 情報システム系列 >
システム開発、ネットワーク、知能情報、環境情報、データサイエンスの専門的特徴を活かした専門科目の中から、選考する専門分野を中心として幅広く受講科目を選択し、体系的な専門知識・技術を修得する。

< 社会情報系列 >
社会における情報現象の総体を理論的,実証的,歴史的に把握するために,社会学および社会コミュニケーション,メディア実践の専門領域から,そして,社会組織の意思決定の現実把握のために,経営学・組織論の多方面にわたる領域の専門領域から幅広く受講科目を選択し,メディアや社会情報の本質的理解と組織体の総合的な管理や意思決定についての体系的な専門知識,技術の習得を修得する。

< ヘルスケア情報系列 >
ヘルスケア情報の基盤となる講義および演習で構成し、ヘルスケア情報を扱う者に求められる優れたコミュニケーション能力と、高い倫理観に基づく学習を通して情報リテラシーに必要な知識・技術を修得する。

  • 研究・開発能力、研究の素養
「修士特別研究」においては、研究活動、修士論文の作成を通して、問題発見能力、柔軟な思考力、問題解決能力などの研究・開発能力を育成する。「修士特別演習」においては、口頭発表や修士論文発表会などで、研究成果や解決策を社会に発信する情報発信力、コミュニケーション能力などの研究の素養を修得し、また、学会参加、研究討論などの場を通して、専門的内容に関する説明や討論などを主体的に進めるための態度を修得する。

(4) 入学者受け入れ方針(アドミッションポリシー)

大学院総合情報学研究科博士前期課程における教育研究の目的及びディプロマポリシーを達成するため、「情報システム系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列のいずれかにおいて、明確な目的意識と探究心をもって研究を進めようとする意欲を持つ者で、かつ以下の基礎学力と能力を有した者を受け入れる。

  • 専門知識・技能
学士修了相当の知識を有し、専門分野を学ぶ上で必要な外国語、専門科目などについて内容を理解できる。
  • 研究・開発能力
問題解決に必要となる柔軟で論理的な思考力が備わっており、自分の考えを明確に表現し、伝えるための基本姿勢が身についている。
  • 研究の素養
自ら率先して課題を発見し解決する研究意欲があり、主体的に多様な人々と協働して研究を進めることができる。

2. 博士後期課程

(1) 教育研究上の目的

大学院総合情報学研究科博士後期課程においては、システム開発、ネットワーク、知能情報、環境情報、データサイエンスの分野において研究開発や課題解決を推進する「情報システム系列」、メディア情報、経営・社会情報の分野において社会的な課題を解決する「社会情報系列」、保健医療福祉分野において医療現場での課題を解決する「ヘルスケア情報系列」の3つの系列を柱として、各系列における最先端かつ高度な専門性と卓越した発想・問題解決能力を身につけ、当該分野を牽引し、新たな学術領域を開拓する教育者、研究者、および、技術者の育成を目的とする。

(2) 学位授与の方針(ディプロマポリシー)

大学院総合情報学研究科博士後期課程においては、「情報システム系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列を有する総合情報学の専門分野において、研究・教育機関の中核となる研究者等として活躍することを目指して、次の専門知識・技能、研究・開発能力、研究の素養を身に着け、総合情報学専攻で定める所定の単位を修得し、かつ、博士の学位論文の審査、最終試験に合格した学生に対して修了を認定し、博士(総合情報学)の学位を授与する。
  1. 総合情報学研究科の専門分野に応じた極めて高度な専門知識と技能。
  2. 高度な専門知識・技能と教養をもとに、与えられた問題を論理的に思考して、自ら課題を発見・解決し、独創的な解決策を社会に発信する研究・開発能力。
  3. 多様化・複雑化する情報化社会における諸問題を的確に捉え、総合情報学分野の高度な研究者、技術者として、主体性を持って問題解決に関与、貢献する研究の素養。

(3) 教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)

大学院総合情報学研究科博士後期課程のディプロマポリシーを達成するため、「情報システム系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列の博士前期課程で修得した専門知識や研究能力を基礎として、「博士特別研究」により、極めて高度な専門知識、論理的で独創的な研究・開発能力を修得する研究指導、「博士特別演習」により、研究成果や解決策を的確に社会へ発信する情報発信力、コミュニケーションなどの能力を養う口頭発表、博士論文発表会や学会発表などを行う。

また、総合情報分野において、情報化社会における諸問題を的確に捉え、独創的な考えで研究活動の行う研究の素養を修得するための科目として「情報哲学」を配置する。博士後期課程の修了の可否は、修了所要単位を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で、博士論文の審査と、最終試験の結果に基づいて判定する。

(4) 入学者受け入れ方針(アドミッションポリシー)

大学院総合情報学研究科博士後期課程における教育研究の目的及びディプロマポリシーを達成するため、「情報システム系列」、「社会情報系列」、「ヘルスケア情報系列」の3つの系列のいずれかにおいて、高度な専門知識と卓越した発想・問題解決能力を持ち、明確な目的意識と探究心をもって独創的な研究を進め、地域、国際社会に貢献しようとする意欲を持つ者を受け入れる。