【看護学科】中嶋准教授と千葉大学病院アレルギーセンターが共同で乳児のアトピー性皮膚炎を予防する方法を証明
本学看護学科の中嶋隆裕准教授が千葉大学病院アレルギーセンターとの共同研究によって「乳児のアトピー性皮膚炎を予防する方法」を証明しました。
アトピー性皮膚炎(AD)は全国に50万人以上の人が罹患する皮膚疾患であり、年々患者数が増加しています。特に新生児・乳児期の皮膚トラブルはAD発症のリスクを増大させ、炎症を起こした皮膚に食物が付着することで食物アレルギーが誘導されると考えられています。そうした知見から、スキンケアを出生早期から行うことでADを予防する試みは国内外で行われています。
我々は今回、洗浄と保湿を組み合わせた侵襲性の低いスキンケアを保護者に指導することでAD発症を予防できるか臨床研究を実施いたしました。
千葉大学病院で生まれた新生児の保護者に従来と新規のスキンケア方法を指導し、生後12か月後にアトピー性皮膚炎有病率のアンケート調査をおこないました。
アトピー性皮膚炎(AD)は全国に50万人以上の人が罹患する皮膚疾患であり、年々患者数が増加しています。特に新生児・乳児期の皮膚トラブルはAD発症のリスクを増大させ、炎症を起こした皮膚に食物が付着することで食物アレルギーが誘導されると考えられています。そうした知見から、スキンケアを出生早期から行うことでADを予防する試みは国内外で行われています。
我々は今回、洗浄と保湿を組み合わせた侵襲性の低いスキンケアを保護者に指導することでAD発症を予防できるか臨床研究を実施いたしました。
千葉大学病院で生まれた新生児の保護者に従来と新規のスキンケア方法を指導し、生後12か月後にアトピー性皮膚炎有病率のアンケート調査をおこないました。
その結果、乾燥した寒い時期(1月~3月)に生まれた子どもは、低刺激な洗浄と保湿によるスキンケアにより、12ヶ月後のAD有病率が有意に低下することがわかりました。(右図)
この研究成果は、AD発症のリスクが高いとされる冬生まれの子どものAD発症を予防できる可能性を示しています。今後は適切なスキンケアの知識の普及により、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防につながることが期待できます。
この研究成果は、AD発症のリスクが高いとされる冬生まれの子どものAD発症を予防できる可能性を示しています。今後は適切なスキンケアの知識の普及により、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防につながることが期待できます。
■調査方法
2019年1月~9月生まれの子どもの母親へは従来のスキンケア方法(対照群;132名)、2020年1月~9月生まれの子どもの母親へは新しいスキンケア方法(介入群;140名)を指導し、生後12か月時のAD有病率についてアンケート調査。
2019年1月~9月生まれの子どもの母親へは従来のスキンケア方法(対照群;132名)、2020年1月~9月生まれの子どもの母親へは新しいスキンケア方法(介入群;140名)を指導し、生後12か月時のAD有病率についてアンケート調査。
従来のスキンケア | 新しいスキンケア | |
体 | 石鹸を使って手やガーゼで赤ちゃんの体を洗う(お風呂の中) | 泡ソープを使って手で赤ちゃんの体を洗う(お風呂の外) |
顔 | ぬるま湯でガーゼを使って赤ちゃんの顔を洗う | 泡ソープを使って手で赤ちゃんの顔を洗う |
洗い流し | 洗面器に張ったぬるま湯をかける | シャワーで泡を完全に洗い流す |
保湿ケア | 指導なし | FTUプロトコルに従い、全身に保湿剤を1日1回塗る |
※FTU(フィンガーチップユニット):指の先から第一関節までノズル直径5㎜のチューブから絞り出した量が、両手のひらに塗る量に相当するという塗り方