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ヒトの本質を解明するための言語学研究



高橋洋平助教のコラム

総合情報学部でなぜ「言語学」?!
 現代文、古文、漢文といった教科で国語を学び、そしてコミュニケーション力の養成と受験勉強を目的として英語を学んでいる高校生の皆さんにとって、「言葉」の勉強とは、いわゆる「文系」「理系」の枠組みの中でいうと文系的な学問に入るものという認識を持っている人が大半なのではないだろうか。
 現在、世界には約6,900の言語が存在しており、なかには話者が数名しか存在しないような絶滅に瀕した言語もある。そんな言語の語彙・音声・文法の体系を正確に捉えて記録することは、言語という文化遺産を後世に伝承するという崇高な目的であり、言語学が果たすべき責任のひとつといえるだろう。
 だが一方で、20世紀半ばから現在にかけて主流となっている言語学研究の領域の中には、「そもそも「ヒト」という生物種が極めて短期間で言語を使えるようになるのはなぜか、という生物学や心理学にも関わるようなトピックを研究課題として取り組む領域もあります」と話すのはメディア文化研究室の髙橋洋平助教だ。

ヒトの本質を解明するための言語学研究

言語機能のメカニズムを解明する
 近年、興味深い研究結果が提示された。それによると、発掘されたヒトの声帯の化石を調査したところ、今から50,000年前には音声言語が使用されていたと結論づけられていた。「推測ですが、私たちが今、日常で交わすような、コミュニケーションを可能にするほどの複雑な文法システムはその当時なかったと思われますが、語と語をつなぎ合わせて文を作り上げることで、思考を外に発信するという営みの起源が具体的に示されたわけです。」と髙橋先生。
 言語が思考を表現する以上、何かしらの、言語に特化した機能が脳に存在することは疑いの余地がないように思われるが、その機能がどんなメカニズムになっているかについて、実際に自然界に存在する英語や日本語といった自然言語の使用例を観察し、さまざまな仮説を立てながら、その言語機能の中身を明らかにしようとさまざまな研究が行われている。
 「こうしたことを考えると、「母国語/外国語の学習=文系の学習」という認識が皆さんの中で少し変わってくるのではないでしょうか」
「文系」「理系」の垣根を超えて、言語学でヒトの本質を解明する
 実際に、さまざまな言語の言語データを取り上げ、丁寧な観察を通じて、共通点・相違点を抽出し、事実を包括的に説明できるような仮説の提示と検証を行うというプロセスは、いわゆる「理系」の分野で採用されている手法とそん色がない。
 言語学に限らず、科学(science)のゴールとは、「ヒトの本質とは何か?」という究極的な問いについてさまざまな領域から解明することが目的であることを考えれば、「文系」「理系」という区別は、皆さんの学びの可能性に制約を課す不自由な区別とも言えなくはない。髙橋先生は、「どちらか一方を毛嫌いしたり、萎縮したりすることなく、柔軟な姿勢で大学での学びを楽しんでほしいと思っています。文理の垣根を超えた学問を、総合情報学部で体験してください」とエールを送る。

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