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心理、行動面の両方から健康問題にアプローチ ヘルスカウンセリングとは


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山口豊教授のコラム

こころへのアプローチはたくさんある
 思わぬストレスにさらされた時、人の心身はふだんと異なる反応を示すことがある。そんな時に役立つのが心理学だ。さまざまな領域がある心理学だが、各種心理療法や東洋伝承文化の人間観を通じ、いかにして自己肯定感やメンタルヘルスを良好にできるかを研究しているのは、心理学研究室の山口豊教授だ。具体的には大きく2つの領域を研究分野としている。
 1つは、深層心理学の研究で、なかでも力動系心理学を中心に、「自己の生き方と心理療法の関連」を課題として研究している。ユング心理学の目指す人間観を考察し、意識性人間観の心理的限界と無意識による補償性について研究してきた。
 もう1つは、行動科学に基づく心理支援(ヘルスカウンセリング)の研究だ。「ヘルスカウンセリングでは、健康問題を心理面に加え、身体や行動面からもアプローチしていきますが、特に脳内の扁桃体の働きを重視しています」と山口先生。扁桃体は刺激に対し、大脳前頭葉の認知反応より早く反応する。とりわけ情動反応(一時的で急激な感情の動き)に影響を与えることから、メンタルヘルスを良好にするためには、まず扁桃体の興奮を鎮めていく必要があるという。「そこで、情動を鎮めていく認知療法(SAT法)を研究してきました。」

心理、行動面の両方から健康問題にアプローチ ヘルスカウンセリングとは

根拠のあいまいな心理療法の効果を測定
 山口先生が認知療法の研究を行う対象は4つある。
 1つは、思春期・青年期の自傷行為の心理・社会的要因とその予防支援方法の研究だ。「その原因には、トラウマや愛着の問題があることが定量的研究からわかってきました。そこでトラウマや愛着問題に介入して予防支援を行い、その効果を検証してきました。」リストカットなどの自傷行為について耳にしたことのある高校生もいるだろう。そうした行為をせずにはいられない心理に注目し、山口先生は思春期自傷行為と否定的自己イメージの因果モデルに関する研究を行う。
 2つ目は、がん体験者へのメンタルヘルス支援だ。「がん体験者は絶望感が強く、QO(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の低下は深刻です。そのような方に、自己イメージとメンタルヘルスを改善する臨床活動を実施し、がん生存者へのSAT療法の集団的・個別的併用アプローチによる心理的・免疫的効果を研究してきました。」
 3つ目は、大学という環境を活かして行う学生・生徒への心理支援研究だ。大学での心理系授業を通した心理支援アプローチとして、身体心理ゲームを用いた認知力向上を目指した研究を行う。
 4つ目は、身体パフォーマンス測定だ。一見、心理学と関係ないようにも思えるが、臨床心理学の科学性を高めるために採用しているアプローチ方法だ。「『短距離走で0.1秒早く走る』『バドミントンで正確にサービスする』『野球でホームランを打つ』などは、簡単にはできません。逆に考えれば、身体パフォーマンスが良好になれば、身体活動が良好になった証となります」と山口先生。つまり、介入による心理支援が効果を与えたと考えられるというわけだ。「臨床心理学は心理療法の効果のエビデンス(根拠)がはっきりしない面があります。そのような中、客観性を得られる方法として、身体パフォーマンス測定があるのです。」心理学の奥深さが伝わってくると同時に、その可能性を広く感じる。

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