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成人・高齢者看護分野:小島 善和 教授


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パンデミックの時代を生き抜く「清潔と不潔」の考え方

清潔と不潔をより科学的に考える
 「私たちが日常生活で使っている『清潔』『不潔』という言葉は、『見た目』や『匂い』などの五感を中心とした感性に基づいていることが多くあります。自身が考える『清潔感』に合わない『醜い、貧相、弱い、臭い』などを不潔と考え、『白色、可愛い、きれい、自信、よい香り』などを清潔と関連させることがあります。人類の歴史の中で、食品の鮮度(腐敗)を知るために、匂いを嗅ぐことは『感染症と戦う』ために必要な能力だったのでしょう」と話すのは、看護学科の小島善和教授だ。
 新型コロナウイルス感染症の話題で持ちきりの2020年、世界中で日常生活が大きく変わっている。こうした中では、「清潔と不潔をより科学的に考え、判断し、的確に対応する能力が求められています」と小島先生は話す。
 パンデミックという言葉もよく聞かれるようになった。これは世界的大災害のことを指し、人々が主体的に災害への対策(防災)を行うことが大切。防災では、自助、互助、共助、公助という言葉が重要となる。

コロナ禍で清潔を科学的に考える


自助・互助・共助の考え方
 「自助」は、自身が感染しないようにマスクをして、手洗いや身の回りの消毒をすること。定期的に体温測定をすることも大切となる。「政府や自治体は『三密』を避けるように繰り返し呼び掛けています。それぞれ、換気の悪い密閉空間や多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面を避けることですが、『三密を避ける』とは、三つの密が揃わなければ良いという意味ではありません。三つの全てを避けることが大切です」。
 次に「互助」とは、自身と周囲の人たちがお互いに感染しない、感染させないようにすること。「日本人は日常生活の中で、軽く抱き合うハグをしたり、頬などにキスをしたり、握手をする挨拶の習慣がありませんので、自然にお互いの接触を避け、距離を取っているのかも知れません」と小島先生。
 このような生活習慣は、大きな影響がある。ハグやキス、握手の習慣が少ない一方で、日本人は「入浴」が好きと言われる。全身が浸かっている浴槽のお湯で顔を洗うと、浴槽の湯が口腔内に入ることも考えられ、傷口や粘膜を通して細菌やウイルスが体内に入る可能性がある。「健康な皮膚から直接体内に入ることはありませんが、家族で暮らしている家では、入浴前に石鹸を泡立てて十分に体を洗ってから湯船に入り、最後にシャワーを浴びてから出るようにすると良いでしょう。また、調理や食前の手洗いは、ウイルスが口から入る機会を減らすために必ず行います。トイレの前後の手洗いも大切ですし、公共のトイレを使う場合は、手指消毒はもちろん、皮膚や衣類が触れる場所も注意が必要と考えます」。
 普段の日常生活ではあまり神経質になることはないというが、今回のような「非常時」の状況では、何が清潔で、何が不潔かを各自が考えながら、「不潔にならない生活」を整えることが大切なことだ。最後に「共助」の考え方について小島先生が説明してくれた。
 「不特定の人たちが、お互いが感染しないように、感染させないように、『気遣い』をすることと思います。たとえばスーパーの買い物で使用する『かご』は、不特定の人たちが使用します。スーパーに限らず、お店に入る前は、消毒薬で手を消毒し、できれば、アルコール除菌シートで持ち物や『かご』の持ち手を拭くこと、店から出るときにもう一度手指消毒をすること。このような、一つ一つの積み重ねが、パンデミックの早期終息に繋がると考えます」。

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小島義和先生のコラム

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