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データサイエンス学系 データサイエンス基盤研究室:川勝 英史 教授


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データ分析、モデル化、シミュレーション、解析により有益な知見を得る

画像から和音を抽出し「心地よさ」を計測する
 「太陽の光が7色に分かれて虹ができます。このとき、光は波ですので、1本の太陽光の波が、7本の光の波に分解されているのです。この様子を見て、画像から音楽を抽出する方法を思いつきました」と話すのは、データサイエンス基盤研究室の川勝英史教授だ。画像データを光の強弱の波としてとらえ、複数の波に分解。この分解された波を音(音も波のひとつ)に変換することにより、和音を抽出するというのが川勝先生の手法だ。
 「画像をいくつかの小領域に分割し、それぞれの領域から和音を抽出。この和音を並べて再生すると音楽のようになります。こうすることで、同時に画像の『心地よさ』を計測することもできます」と話す。
 この研究の応用として、観光地の写真について心地よさを計測することにより、「癒し観光ルート」のような新たな観光ルートを提案することができるという。「観光客が撮影した写真の『心地よさ』を計測し、その写真から音楽を再生することも考えられます」と川勝先生は話す。

画像から和音を抽出し「心地よさ」を計測する


複雑な事象を分析する方法とは
 「私の研究室では、マルチエージェント・シミュレーションも行っています。『エージェント』には様々な意味がありますが、ここでは、『自分の周囲の状況を認識し、それに基づいて一定のルールのもとで自律的に行動する主体』を意味しています。例えば、人間や生物などが、これにあたります」
 社会には、いくつもの要素が絡み合う複雑な事象があふれており、理論的に分析することが困難なものも少なくないが、こういった複雑な事象でも、マルチエージェント・シミュレーションにより分析可能となるものがあるのだ。例えば、リーダーはいないのに群れて飛ぶ鳥、高速道路での自然渋滞、混雑によるパニック、株価の動きなどがあげられるのだという。
 「我々の研究では、企業の組織変革時における従業員の心理状態の変化や、海外子会社が生成するスピルオーバーが現地企業に与える影響などを分析しています」

モデル化と解析
 「コンピュータはどんな計算もできると思いがちですが、実は苦手な計算がある」と川勝先生。例えば3ケタの数字を000、001、…999のように、すべて列挙する場合、コンピュータであれば一瞬で計算できる。ところが20ケタの数字になると、コンピュータでも約3時間かかり、30ケタになると、なんと約3億年もかかるのだという。
「例えば30種類の商品があり、それぞれ9個まで仕入れることができるとします。すべての商品を0個ずつ仕入れる場合から、9個ずつ仕入れる場合まで、すべての組み合わせにおいて総利益を計算して、最も総利益が大きくなるような仕入れ量の組み合わせを求めるためには、約3億年かかるということになるのです」
 このような時に役立つのがモデル化だ。モデル化とは、まず解きたい問題を、解析できるように定式化すること。次にモデルを解析し、最適解が存在することを証明した上で、現実的な時間内に(コンピュータにより)最適解が見つけられることも示さなければならない。「もしこれが証明できないのであれば、モデルや問題そのものを見直す必要があります。最近の我々の研究では、2種類の鶏(ブロイラーと銘柄鶏)を生産する養鶏業を対象にして、総利益を最大にするという意味での、それぞれの最適生産量を求めるようなモデルを構築しています。商品は2種類であるにも関わらず難しい問題なのですが、最適解が求められることも確認できました」と話す。

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