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データサイエンス学系 心理学研究室:小早川 睦貴 准教授


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感情の心理学

感情の本質とは何か?
 人の心は曖昧でつかみどころがないが、人の心をデータ化することで把握するのが心理学である。「このような点で、心理学は人間情報学と呼べるような研究領域であるといえます。人の心や行動に関するあらゆる現象が心理学のターゲットとなります」と話すのは心理学研究室の小早川睦貴准教授だ。
 コンピュータは、記憶や計算にとどまらず文字や絵の認識、将棋や囲碁などの思考といった領域にも進出してきている。しかし、感情を持つ機械は存在していない。「そんなことはないと思う人もいるかもしれませんが、『仲良しのロボットを笑わせたくて思案した』『人工知能を怒らせてしまい、大げんかになった』という経験はないと思います」
 人間が感情を持っていることの本質的な理由として、「感情はそれを持つ個体の生存のために必要なものだから」という点が挙げられる。
 「恐怖という感情は、目の前の相手や事態から自分の命や所有物を守るために起こり、逃げる・身を守るという行動をとるために必要だと言えます。恐怖以外の、喜びや怒りなどの感情も、『行動と結びつく』という点で同様といえ、感情を有することは極めて人間的な精神活動に繋がるのです」と小早川先生は話す。

感情が行動に与える心理学的影響ってすごい!


感情の心理学の未来
 「未来の心理学では機械と人間のコミュニケーションについても、より深く検討を行っていく必要があるかもしれません」と小早川先生。
 人工知能がさらに発展していくにつれ、日常の様々な場面で人間と機械とがコミュニケーションをとることが増えていく。人間同士では見られなかったような良い点があるかもしれないし、もしかしたら機械特有のトラブルも出てくるかもしれない。ソフトバンク社の開発したロボット・Pepperは人とのコミュニケーションを売りとして、接客や公共機関での対応に用いられ始めている。
 「現在進行中の研究では、このPepperを用いて、介護施設を利用する人々に対する感情的影響について、検討しています。認知症などの脳疾患を有することや加齢により人とのコミュニケーションには様々な変化が起こりますが、こうしたコミュニケーション上の変化の中には、ロボットとのコミュニケーションで良い効果がもたらされることがあるかもしれません。これまでには無かったような、新たなコミュニケーションの形が生まれた場合においても、そこに何らかの心のやり取りがあるのなら、心理学の知見や方法論が活かされると考えています」。
 最後に、情報学の果たすべき役割について小早川先生が話してくれた。
 「私は、“変化をとらえること”だと考えています。同時に、変化をとらえることは“変わらない本質をとらえること”とも裏表の関係だといえます。私たちをとりまく社会はこれからも変化しつづけ、予測もつかない変化が起こるかもしれません。その中でも、人間の心の本質的な部分が大きいことは変わらないでしょう。感情の機能も、やはり今後変わらず存在しつづけるものの1つだと思われます。これまでにも、心理学的研究で解明された感情のメカニズムは、様々な技術やサービスの中に実学として活かされています。今後、社会と人間の関わりが変わりゆく中で、感情が果たしている役割を明らかにしていくのが、未来の心理学の役目なのではないでしょうか。情報学という熟語にも“情”という漢字が含まれているのも何かの縁なのかもしれません。感情という心の働きからデータを取り出し分析する、心理学は“情”報学そのものです」。

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